協創推進営業部が切り拓く横串の連携と、MDI が提案するインテリアデザインの形【お客様インタビュー】
言わずと知れた三菱グループのデベロッパー、三菱地所。不動産の開発にとどまらず国内外で様々な事業を手がける同社だが、これまでの形にとらわれない新たな独自性や価値の創出を追求し続ける姿勢を崩さない。2022 年に新設された「協創推進営業部」では、グループ内外の「協創」を生み出し新しい事業の企画や実証実験を進めるために、既存の企業ネットワークのみならずスタートアップや地域コミュニティとの連携も積極的に図る。
三菱地所グループの新しい取り組みに深く迫るべく、三菱地所・協創推進営業部の鈴木七波氏、三菱地所グループのインテリアデザイン会社であるメック・デザイン・インターナショナル(以下「MDI」)の加藤康伸氏、今井敬氏に話を伺った。
ーーそれではまず、鈴木さんのこれまでのご経歴を教えてください。
鈴木:「私は新卒で三菱地所に入社しました。最初の4年間はエリアマネジメントを担当していて、丸の内、大手町、有楽町のエリアで地権者団体やスタートアップコミュニティの運営などの仕事をしてきました。イベントの企画や開催もかなりたくさんやりましたね。その中のスタートアップコミュニティの方で、新丸の内ビルにあるオフィス施設があるのですが、その拠点のリノベーションプロジェクトでは MDI 加藤さんとご一緒させていただきました」
「去年からは、協創推進営業部という三菱地所グループ全体での協業を推進する部署に所属しています。全体で 20 人くらいの部署です。『キョウソウ』というと『共創』の文字をイメージされることが多いと思いますが、私たちの部署は協力の『協』を用いて『協創』としています。外部パートナーさんたちと『もっと力を合わせて一緒に創りあげていく』といったような思いを表している部署名です」
三菱地所・鈴木氏
ーー学生時代の思い出や、今の趣味・関心などについてもお聞きしていいですか?
鈴木:「学生時代はずっと少林寺拳法に打ち込んでいて、大学まで 10 年間やっていました。最後は四段になるまで頑張ったんですが、今の仕事とはあまり関係ないかもしれないですね(笑)。趣味で言うと、料理はとても好きです。友達を家に呼んでホームパーティーをするのも好きで。なんというか、『食のある空間』みたいなものはずっと好きかもしれないですね。小説とか映画とかも、食が魅力的に映っているものとかがずっと好きだったりするので」
「あと、私は東京生まれ東京育ちなんですけど、ずっと東京以外への憧れがなんとなくあるというか、地方への関心みたいなものはありまして。ちょうどよい機会があったので、最近静岡の三島に移住したんです。そういった地方コミュニティを実際に自分で体験してみたいというのも昔から感じていた憧れかもしれません。あとは大学生時代に一年間スウェーデンにも留学していて、北欧の人々の暮らし方やインテリアなどは今でも好きだったりしますね」
三菱地所・鈴木氏、MDI・加藤氏が携わった、三菱地所が運営するイノベーションコミュニティ「The M Cube」
ーーそれでは続いて、加藤さんのご経歴などをお聞きしてもいいですか?
加藤:「私はこれまで MDI で 18 年間、オフィスを中心とした様々な空間の設計に携わってきました。大学はアメリカ・ネバダ州で建築やインテリアを学んだんですが、そのまま現地の設計事務所に就職しました。ホテルなどのインテリアを中心に手がけている事務所でした。少し働いた後に、いくつかの状況が重なり『そろそろ日本に戻ろうかな』と考えるタイミングがあり、シンガポールの設計事務所なども含めていくつかの選択肢を考えていたところ、MDI にご縁を感じたんですよね。当時はなかなかインテリアデザインでの募集がなかったんですが、MDI がちょうどインテリアデザインの職種で募集をしていて。加えていろんなプロフェッショナルがいる『総合設計事務所』というのを謳っていたので、いろいろ勉強できそうと思って入社を決めたのを覚えています」
MDI・加藤氏
「正直入社当初は『まず 2-3 年勉強してみよう』とだけ思っていたのですが、ありがたいことに大きなプロジェクトが次々に入るので、気づいたら 18 年経っていたような感覚です(笑)。新築ビル内の大規模オフィス、弁護士事務所、金融機関、さらには自社設計でオフィス移転をする機会など、幅広いオフィス設計の機会に恵まれたかなと思います。今はオフィスデザインのユニット長として、引き続き色々なプロジェクトのデザインを手掛けながら、品質管理ユニットやコンサル的な業務も兼任したりしています」
ーー加藤さんのご趣味や、休日の過ごし方などもお伺いしていいですか?
加藤:「今はあまりできていないんですが、釣りとかキャンプとかアウトドアは好きですね。『釣りを教えてほしい』という会社の後輩と一緒に釣りやキャンプによく行ったりもしていました。あと、フライフィッシングってご存知です? ニジマスとかヤマメとかを釣るんですけど、渓流釣りというのも好きでよくやってました」
「あとは、植物も好きなんですよ。マダガスカルの植物を輸入して育てたりもしています。マダガスカルには島の固有種がいるんですよ。世界中でもそこにしか生えてない植物があって、輸出の規制とかもかかっていたりします。日本はたまたまマダガスカル政府と昔から親交があったみたいで、アジアの中でも比較的輸出が許可されやすいみたいなんですよね。すごく可愛いですよ(笑)」
ーー最後に、今井さんのキャリアやプライベートについても教えていただけますか?
今井:「私は MDI に転職して 8 年になります。キャリアとしてはずっとインテリア系の仕事をしていますね。これまでに住宅やオフィス、外資系企業のインテリアプロジェクトなどを中心に手掛けてきました。今はオフィスデザインのチームで、提案から設計まで幅広く携わっています」
「プライベートはいま子育てが佳境なので、育児や家事に時間を使うことが多いですね。でも実は僕も植物が好きだったりするので、加藤さんと植物の話で盛り上がったりもします(笑)。あとこれも偶然鈴木さんと同じですが、僕も料理は結構好きですね。真夜中でも自分が食べたいものをサッと作れたり、無心になってストレス発散になったりもするので、料理している時間は好きですね」
三菱地所グループのインテリアデザイン会社、メック・デザイン・インターナショナル
ーーそれではお仕事についても詳しく聞かせてください。改めて三菱地所さん・協創推進営業部の組織やミッションについて教えていただけますか?
鈴木:「協創推進営業部の発足のきっかけとしては、三菱地所グループは単なる不動産業にとどまらず、生活やソフトコンテンツなど多岐にわたる新しいサービスを生み出していきたい、そのためにはグループ内外でもっと『共有』を進めていかないといけないといった気運があったんですね。その中で社内、社外、地所グループ全体に横串を刺してつなげていくチームを作ろう、ということで発足したのが協創推進営業部です。日々私たちの街づくりとご一緒していただけそうな取り組みをされている会社さんに積極的にアプローチしています。
毎日たくさんの人に会って、社内外のあらゆる情報を集めて『これとこれって合うんじゃない?』とマッチングしていくセンスなども必要なので、そのあたりは難しさとやりがいを同時に感じる仕事ですね」
三菱地所・鈴木氏
ーー推進を進めるテーマなどもあるんでしょうか?
鈴木「そうですね、組織としては『体験価値』と『社会課題解決』のユニットに加えて、自治体や学校向けに不動産ソリューションを提供する 3 ユニットがあります。体験価値はアート、エンタメ、アウトドア、美容など体験に価値を生む領域が多いですね。社会課題解決ユニットは、食、防災・防犯、エネルギー、地域などのテーマが多いです。『教育』や『ウェルネス』といったテーマも部署としては見ているんですが、これは両ユニットで一緒に見ていたりもします。分野横断で掛け合わせたりすることも多く、広く言えば『まち』や『暮らし』に関わることであれば特に制約はないので、あらゆる可能性を考えながら協創を生み出せる種やきっかけを探し続けているといったところでしょうか」
ーー鈴木さんが『こういう人とつながりたい』といった会社や領域はありますか?
鈴木「街づくりに興味がある会社さんや、三菱地所と何かやりたいと思ってくださっている方であればどんな方でもお話しさせていただきたいですね。私たちの会社と何か協創したい、一緒に何か新しい事業や新しい活動を作っていくことに興味がある方は本当にどんな方でも可能性があると思いますし、私としても、会社と会社、人と人を横串で繋げて価値を生み出していける役割を担っていきたいなと思っています」
ーーそれでは、改めて MDI さんの概要と活動内容も教えてください。
加藤:「MDI は、三菱地所グループのインテリアデザイン会社として、主にオフィスやホスピタリティの設計を手掛ける会社です。三菱地所グループではありますが、グループ外のお客様も多くいらっしゃいます。おかげさまで国内外でも多くのアワードを受賞させていただいていて、お客様の幅もかなり広いかなと思います。金融系や弁護士事務所など堅い分類に入る業種のお客様もいれば、最近では IT 系のオフィスなども増えてきたりしています。
ホスピタリティ領域でも高級ホテルのインテリアデザインを手がけることなども増えてきたりしているので、社内のあらゆるプロフェッショナルが幅広いデザインに対応できる会社かなというのは感じていますね」
加藤氏が手がけた三菱重工業の本社移転プロジェクト。日本が誇るものづくりの先端技術や同社のプロダクトディティール、原料となる素材を意匠に取り込んだデザインを実現している(撮影:Nacasa & Partners)
加藤「三菱地所グループのネットワークを活かして、規模やインパクトが大きいプロジェクトに関われるのも魅力や強みの一つかなと思います。例えば私が携わった案件の一つで言うと、今の三菱地所さんのオフィスがあります。三菱地所と言えば『パーク』というキーワードがあると思うんですが、そこから『MEC パーク』といったようなコンセプトがいいのではなどと話していました。
パークは文字通り公園ですが、パークと言っても国立公園もあれば都市型パークもあるし、子どもからシニアまでいろんな人の様々なアクティビティが起こっている場所がパークかなと思います。そんな雰囲気で、オフィスもいろんな人たちが働く空間として、いろんなシチュエーションで多様な仕事をしているので、パークに例えて複数のフロアをデザインしたプロジェクトでした」
「受付に『木』が生えてるのは、公園でも大きな木があるとその木の下に人が集まっていたり、動物が集まってきたり、『集まる』場所になるイメージがあるかと思います。そういう象徴になるような大木をつくって、そこをレセプションにしようという提案をしましたね。実はここに辿り着くまで 30 案くらい提案していたりもします」
MDI が手がけた三菱地所本社移転プロジェクト。オフィス全体を大きな『PARK』に見立て、レセプションには大木をモチーフにしたデザインが施されている(撮影:Nacasa & Partners)
ーーMDI のカルチャーや、仕事の進め方にはどんな特徴がありますか?
今井:「MDI は、コミュニケーション能力や柔軟性といったところを大事にしているかなと思います。大小のプロジェクトが常にありますが、期間が長くなったり関わる人も多かったりするので、良いコミュニケーションが取れるか、周りの人と協業できるかというのは大切な力かなと思います。あとは『臨機応変』というのもキーワードかもしれないですね。やり方が凝り固まってしまっていると提案の幅が限られてしまったり、一度路線から外れてしまった業務やプロジェクトをなかなか進められなくなってしまうこともあったりすると思います。プロジェクトに真面目に向き合う姿勢を保ちながら、クライアントの希望を実現することも含め柔軟に対応できる人材が多く在籍していると思いますし、今後もそういうデザイナーにぜひ入ってきていただきたいですね」
加藤「実は MDI のデザイナーは 6 割が女性というのも特徴かもしれないですね。特に女性を増やそうと意識して採用していたわけではなく自然にこのような割合になったのですが、女性にとっては働きやすい職場なのかもしれません。あとは『好奇心』というのも大切にしたいなというのは個人的にありますね。好奇心があっていろんなものに興味がある人の方が、何かを提案するときの物の見方が広がるというか。例えば学生時代に人とは違うおもしろい経験をしていたり、海外生活が長くて独特の感性を持っていたりすると、広い視野や違った視点から新しい角度の提案ができたりもするので、そういう人とは一緒に働きたいなと思いますね」
ーー最後に、アーキタッグを利用していただいた経緯や感想についてもぜひ教えてください
鈴木「きっかけは外部のイベントで私が(アーキタッグの)桂さんとお会いした時に、すぐに何かご一緒したいなと感じたんです。三菱地所グループには MDI だけでなく三菱地所設計や三菱地所ホームなど設計を手がけるグループ会社が多く、まさに『協創』できることが多いんじゃないかなと思いました。アーキタッグは、設計士やデザイナーの人手不足を解消するだけでなく、それこそ設計領域において外部パートナーと『協創』するプラットフォームとして、三菱地所グループが提案できるデザインの幅も広げていける仕組みなのではないかなと思い、グループ会社の人たちをすぐに繋がせてもらいました」
加藤「鈴木さん経由でアーキタッグを知り、すぐに要望を伝えてパートナー候補を何社か紹介していただきました。早速活躍していただいているパートナーさんもいて助かっています。コンペからご一緒したり、指名案件の設計協働をお願いしたりしています。先日ご一緒させていただいたパートナーさんは、コンペ案件で初期段階から入ってくれてとても助かりましたね。全体のコンセプトやプレゼン構成のディスカッションを MDI の担当者ともやってもらったり。メインの担当者さんがバイリンガルだったので、クライアントとの打ち合わせにも参加してもらったりできるのはすごく助かりました。プレゼンの本番でも話してもらったんですが、プレゼンテーションもすごく上手でしたよ。外部パートナーさんと組んでコンペに臨んだことで、他社さんにはない斬新なコンセプトも提案できたんじゃないかなと思います」
MDI・加藤氏、三菱地所・鈴木氏
今井「おかげさまで MDI も多く引き合いをいただいていて、人材・稼働状況にも波があるので、提案力を広げたりマンパワーを拡充したりする上で外部パートナーさんはやはり大切だなと感じています」
加藤「アーキタッグに今後期待することとしては、私たちも常に良いパートナーさんは探しているので、『こういう会社が新しくアーキタッグに登録しました』といったような提案は積極的にしていただけると嬉しいですね。MDI にも色んなプロジェクトが常に入ってきているので、私たちとしても協業できるパートナーさんやデザイン提案の幅はできるだけ広げておきたい」
今井「あとはアーキタッグで新しく中途採用の人材紹介も始められるということで、そちらもぜひ良い人材がいたら紹介をお願いしたいですね。協力事務所や設計パートナーに加えて、正社員の人材紹介も、多方面から設計士・デザイナー人材の確保を進めていくご支援をこれからも期待しています」
日本を代表する建築不動産の事業体でありながら、三菱地所グループは攻めることをやめない。圧倒的な事業基盤を築き上げてなお、新しい価値を生み出す「協創」を、まちや暮らしの豊かな文化を創りつづけていくために、彼らはいつも数歩先の未来を見ている。
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